「臼杵焼」とは? 特徴や魅力、窯元や陶器市情報

臼杵焼の起源と歴史的変遷

臼杵焼は、1801年に稲葉家十代目藩主・稲葉弘通によって御用窯として創設されました。この窯は臼杵藩の御用窯として、島原(長崎)、小石原(福岡)、小峰(宮崎)などから職人を招き、磁器と陶器の製造が行われました。末広地区に窯場があり、臼杵焼は末広焼としても知られました。

しかし、その繁栄は短命で、数年で途絶えました。従来の焼物産地からの職人を迎えていたが、詳しい途絶えの理由は分かっていません。

約200年後の2015年、地元の陶芸家たちが臼杵焼を復活させました。彼らは伝統を引き継ぎながらも新しいアイディアや技術を取り入れ、地域の文化や伝統産業の復興に努めました。この復活は地元社会に新たな活気をもたらし、臼杵焼は再び地域の誇りとなりました。

臼杵焼焼の魅力

現代に蘇った「臼杵焼」は白が美しく、洋風な雰囲気がまるでフランスのアンティークのような佇まい。輪花など花を想起させるモチーフが多いようです。シンプルで使いやすく、手作りの温かみがある風合いも魅力です。白い器が代表的ですが最近では真っ黒な器も人気になっています。

臼杵焼の技法とその特徴

臼杵焼の特徴は、独自の技法である「型打ち」にあります。この技法は、ローラーで板状に伸ばした粘土を石膏型に打ちつけ、ヘラを使って均一に広げながら、最終的には職人の繊細な指加減で形を整えていくものです。

型打ちの特徴により、臼杵焼は型を用いた磁器でありながら、一点一点に独自の表情が生まれ、陶器のような風合いが得られます。粘土から器へと変化する過程で、自然な歪みや厚みの違いなどが生まれ、これらが作品に特有の味わいを与えています。

臼杵焼の製作は、すべて分業制で行われており、工房の職人たちの経歴や経験はさまざまです。また、若手の育成にも積極的に取り組まれています。この継承と創造が結びついた手法により、臼杵焼は伝統と革新が融合した独自の美しさを持っています。

臼杵焼の代表的な窯元

臼杵焼研究所

2015年に地元の有志が立ち上げた臼杵焼研究所は、臼杵焼を再興させるための取り組みを行っています。この研究所は僅かな資料をもとに、現代版臼杵焼を作り出すことを目指しています。

臼杵焼研究所の活動は、「器は料理の額縁である」という考えに基づいています。ここで作られる器は、臼杵の豊かな自然や天然の素材からインスパイアを得ています。海や山から取れる食材、有機の農産物、そして古くから栄えてきた味噌、醤油、酒などの醸造品に裏付けされた伝統ある食文化を美しく引き立てることを目指しています。

研究所では、この地の自然や伝統を表現した器を製作し、それを通じて臼杵の食文化を伝える使命を果たしています。また、焼かれた器を他の場所に広め、その地の食卓に彩りを添えることも目標としています。このようなアプローチにより、臼杵焼は再び地域の誇りとして復興し、その美しさや伝統が広く認識されています。

現代の臼杵焼

臼杵焼はそのデザイン性が高く評価され、BEAMSなどとコラボしたり、現代的なイメージでブランディングしています。今後は海外展開に力を入れるそうです。

臼杵焼の陶器市ー蔵出し市

他の産地のように大々的な陶器市は行われませんがゴールデンウィークやシルバーウィークの頃、過去人気のあったリバイバル品を特別に販売するほか、恒例のアウトレット品も並ぶ『蔵出し市』を開催。

まとめ

見事に現代に復活した臼杵焼。日本の焼き物の未来を明るく照らす存在です。

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