お気に入りの器を普段使いに vol.1 宮下将太

〈お気に入りの器を普段使いに〉

作家が作る器は一つひとつ個性があり、釉薬の加減や絵付けの表情など、ひとつとして同じものはありません。だからこそ、わが家に“お迎え”した時の感動はひとしおですし、大切にしようと思うもの。でも、大切にし過ぎるあまり、気がつけばずっと食器棚の中に眠ったまま……なんてことも。また、その素敵なデザインを敬うがゆえ「特別なお料理でないと、もったいなくて盛り付けられない」と思っているうちに、日々に追われて器を使わずじまい、ということもしばしば。

この連載では「Narative Exhibition」で販売する作家の器に、コンビニやスーパーのお惣菜など身近な料理を盛り付けて「私たちの日常でどんなふうに使えるのか」を紹介していきます。

もっと気軽に、もっと手軽に、器の普段使いを始めてみませんか?

vol.1 宮下将太

Profile
1992年生まれ、神奈川県出身。幼いころに千葉県木更津市に移住。2010年に東京、表参道にて美容師に従事。2013年には東京、表参道にてレストランにも従事した。2017年に陶芸に出逢い、岐阜県土岐市に移住、弟子入り。2019年に独立し、岐阜県土岐市に工房を構えた。

作品
釉薬を原料から調合し、多種多様な色彩と質感を生み出す。3Dデータ技術を用いて美濃焼の新しい提案をした「HINOMIYA」シリーズも人気。
オフィシャルサイト:https://www.shotamiyashita.com/

ソーセージマフィン×HINOMIYA 「kiriko」 flat plate&cup

まずは休日の朝食をイメージして、洋風のワンプレートを盛り付けてみました。使用したのは優しいマットな白がオールマイティに使いやすいHINOMIYAの「kiriko」シリーズ。

手前:HINOMIYA 「kiriko」 flat plate 奥:HINOMIYA 「kiriko」 cup
コンビニで購入したソーセージマフィンとサラダを盛り付けます
マットな白にサラダのグリーンが映えます

コーヒーカップの側面やお皿の縁を飾るのは縁起の良い七宝繋ぎの吉祥文様ですが、洋風のメニューを合わせるととてもモダンな印象になりますね。

使用した商品

納豆定食×bowl S(ice・albus・海溝・alchemia)

お次は朝食の定番、納豆ご飯。「bowl S」を複数色違いで使うことでおしゃれな定食風に大変身。

奥左:bowl S(ice) 奥中央:bowl S(albus) 奥右:bowl S(海溝) 手前左:bowl S(alchemia) 手前右:私物
納豆・ご飯・厚焼き玉子・ぬか漬け・味噌汁を盛り付けていきます

材料は全てコンビニ調達ですが、器が良いとグッとおいしそうです。一見、上級者向けに思える青色の器も同じサイズの器と並べることで統一感が出て、普段使いの食器としてもなじみます。

厚焼き玉子、納豆、ご飯は白・ベージュ・茶色のシックなトーンでまとめ、ぬか漬けは青色の器でアクセントに

使用した商品

冷やし中華×bowl L(aquamarine)

暑い日のランチの定番といえば「冷やし中華」。涼しさを演出したくて淡い水色のaquamarineを選びました。

bowl L(aquamarine)

冷やし中華は具材を茹でたり、切ったりと実はめんどくさいメニューの代表。暑いキッチンで麺を茹でるのもしんどいですよね。

今回はミニサイズに使用しましたが、普通盛りくらいまでは入ります

コンビニの冷やし中華なら器に盛り付けるだけ!もちろんパックのまま食べた方が洗い物も無くて楽ですが、器に盛り付けると、まるでホテルの冷やし中華みたい……370円とは思えません!

夏の食卓を見た目から涼やかにしてくれるaquamarineの色合い

使用した商品

スンドゥブチゲ×bowl L(黒煌)・bowl S(melty red)

韓国料理にもトライしてみました。使ったのは少し艶のあるブラックが大人っぽい黒煌のbowl Lと、桜のような美しいピンクが印象的なmelty redのbowl S。

左:bowl M(黒煌) 右:bowl S(melty red)

平日のお昼にはヘルシーなスンドゥブチゲをチョイス。レンジでチンしたらbowl Lに盛り付けます。bowl Sにはご飯をよそって。

赤い韓国料理には黒が相性◎

ニュアンスのある黒い器の色に赤いチゲスープがよく合います。ご飯はピンクの器にして、少し遊び心を加えてみました。

平日のランチも器に盛り付ければグッとおしゃれに

bowl Lは一人分の具沢山スープを入れるのにも、ちょうどいい大きさです。

ほどよい深さが汁物に使いやすいです

使用した商品

アイスクリーム×bowl S(syrup blue)

普段のおやつにもbowl Sは大活躍。トルコブルーのような鮮やかな青に惹かれてsyrup blueを使ってみました。

bowl S(syrup blue)

盛り付けたのはお馴染みのバニラアイス。

アイスクリームを盛り付けるのにちょうどいいサイズ

手に取りやすい価格が魅力の定番アイスですが、器に盛り付けるとよりおいしそう!もちろんカップのまま食べてもおいしいですが、こんなに印象が変わるなら一手間かけて器に盛り付けたいですね。

ブルーと白のコントラストが涼しげです

使用した商品

ベルギーワッフル×HINOMIYA 「kiriko」cup & saucer

おやつをもう1パターン試しました。使用したのはモーニングプレートでも活躍したHINOMIYAの「kiriko」シリーズ。

手前:HINOMIYA 「kiriko」 saucer  右奥:HINOMIYA 「kiriko」 cup

saucerとcupはそのままカップ&ソーサーとしても使えますし、バラしてsaucerをお皿使いするのも素敵です。今回はベルギーワッフルを盛り付けてみました。

ワッフルをトースターで温めるのもおすすめ

袋を開けてワッフルを盛り付ければ、まるでおしゃれなカフェのよう。これなら急な来客でも対応できそうです。

縁の吉祥文様の凹凸に陰影ができてニュアンスのある表情に

使用した商品

唐揚げ×bowl S(purprite)

夜の時間帯には唐揚げ&ビールを。普段あまり使ったことのない紫色のpurpriteをチョイスしてみました。

bowl S(purprite)

purpriteは上級者向けの色だと思いましたが、意外とどんな食材ともマッチします。マットな質感が大人っぽい印象です。

お肉屋さんで買ってきた唐揚げを盛り付けます

唐揚げの茶色とマットな紫色でシックな一皿になりました。

boul Sの小ぶりな大きさがおつまみを盛り付けるのにちょうどいい

晩酌の定番メニュー、枝豆や冷奴を盛り付けても良さそうです。

使用した商品

おつまみセット×bowl S(canola・melty green・melty sepia blue)

ここまで、和風、中華、韓国、スイーツと色々なテーマで試してきましたが、洋風なアレンジにもマッチするのがbowlシリーズのすごいところ。

左:bowl S(canola) 中央:bowl S(melty green) 右:bowl S(melty sepia blue)

あえて個性的な色合いの器を組み合わせてみましたが、サイズがそろっているので違和感はありません。

スナック菓子やチーズなど、ごく普通のおつまみを集めました

全てパッケージを開けて盛り付けただけですが、あっという間に「おもてなし感」が演出できました。

ファッションより大胆に色合わせできるのも器使いの楽しみ

使用した商品

ビビットな色合いやニュアンスのあるデザインの器は普段使いにはハードルが高いように感じますが、使ってみると予想を裏切る懐の深さで、どんなお料理でも受け止めてくれました。

お気に入りの器の普段使い、はじめてみませんか?

text&photo:m.yamamoto

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